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今治シビックプライドスクール 第5回

 

―第2期 みなとを取り巻く「まちなか」とはなにか― 

                    【まちの空洞化・砂漠化を考える】

協調型合意形成と小松島みなとまちづくり

日時:平成23年1月18日(火)

午後7時00分~午後9時00分

場所:今治中央住民センター

講師:徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 山中 英生教授

協調型合意形成

 交渉学では協調型の合意形成とアメリカのメディエーションを研究している。地域は独自性を持つことが大事だと言われてきたが、それを自分たちで考え出すことに向かっていった次に協働概念がある。物事を決めるときに、委員会やワークショップ形式で話し合うことがあるが、民主的(皆が納得する決め方)に物事を決めるのにいくつかの方法がある。

・投票による多数決・・・直接民主主義

・くじ引き・・・・・・・機会均等

・専門家による提案・・・技術最適化

・リーダーに任せる・・・大統領 信任された独裁

・代表を選んで交渉・・・代議員 間接民主主義

全て民主的だが一長一短ある。カリフォルニア大の教授がコミュニケーティングプランニングを説明しているが、横軸に要求の程度、縦軸に納得する度合いを表した表があるが、戦後間もない頃のように、解決するべき様々な要求があるときは、政治的な手法でリーダーに任せた方が相反しない。ある程度整備されてくると、専門家が提案しなければならないようになる。更に二分するような状況では、運動などにより解決することがある。さらに要求が細分化されるとお互いが納得するまで話し合うことでしか解決できない。

 図書館の言い争い(利害に基づく交渉の例)

・ 図書館の言い争い
・ 一人の学生は窓を開けたい。
・ もう一人の学生は窓を閉めてほしい。
・ 司書は「どうして?」と聞く
・ 前者の理由は「暑いから」
・ 後者の理由は「風で本のページがめくれるから」
・ 司書は隣の部屋に行って窓を開けて、風が吹き込まないで、換気できるようにした。
立場: 「窓の開閉」
利害: 「換気と風吹き込み」・一人の学生は窓を開けたい「暑いから」

交渉学では、争っていることに着目しないで、理由に着目すればうまくいく場合がある。

協調的合意を成功させる3つの要素

1 手続き

  決める前に聞く、関与者特定、問題の把握、代替案の審議、評価と選択

2 利害や関心に着目

  立場だけ主張しても合意できない。背景にある利害関係に着目。多様な利害を組み合わせた方が合意できる。

3 中立な人の関与

  中立的な人が話し合いを促進する。創造的な代替案の作成

 社会的な合意形成のプロセス

・利害関係者を探す

・手順を作る。役割を決める。話し合いの議題を並べる。 

・話し合い  集団的な合意

・決定    社会的裁定、決定

・実行と監視 

交渉・調停の理論 

・ハーバード流交渉学が最初

・立場の背後にある理由・根拠

  何故を繰り返し考えることで利害に到達する。

・立場・状態を示す yes,noが出る

ファシリテートは何をするか

 アメリカでは中立的な人材が雇われ、全員の意見が一致するまで調整する。これをメディエーターという。

・会議の目的、目標を伝える

・雰囲気作り、場作り

・意見の理解を支援する

・「決める」ための支援

・プロセスをつくる

利害に着目し話し合っていくと全員の考えが一致することが起こる。日本はほとんどこれを行ってきている。アメリカは日本の労使交渉や昔の集落の合意形成を調べて学問にした。それが日本に持ち込まれた。 

小松島港のみなとまちづくり

小松島港は徳島県の海の玄関として発展したが、高速道路の整備や、明石海峡大橋の開通などで、航路が廃止になり、旅客機能が無くなった。県の土地に南海フェリーが建てたターミナルビルが残ったが、条例改正など複雑な行政間調整が必要だった。漁協や港湾関係者の利害調整などの課題があり、アイデアは出すが実施主体が不明など問題が起こった。

 1年目に市民を集めて港をどうするか5回のワークショップを行った。レストラン、ヨットハーバーなどアイデアは出たが実施主体の段階で止まってしまった。本来なら行政が予算を付けて事業化していくのだが、小松島は財源不足で出来なかった。県の港湾の条例を変えるための目的も決まっていなかった。

そこでPCM(プロジェクト サイクル マネジメント)手法を導入して土曜日の2回だけ1ヶ月「小松島港PCM」を行った。参加者はWS参加者、国、県、市の港湾担当者など。フェリーターミナルの利用法が決まらない中で突破力のある人がいないと出来ない、条例を変えるために手続きを踏んでいたのではなかなか進まないとのことで、実験をしていこうということになった。それで市も徐々に協力するようになった。

 状況を打開するために小松島港利用企画調査委員会が立ち上げられ、A:フェリーターミナルの市民による公共利用案とB:フリーマーケット等のイベント開催による地域振興案が出てAB折衷案で確認。実施主体としてNPO法人を立ち上げターミナルビルの管理とイベントの運営を行った。市主導ではなく、有志を募って、独自で「fantasyharborこまつしま」設立。市の緊急雇用の助成金で三人の女性の雇用も確保できた。その女性の発案でフリーマーケットを行い、1棚500円で貸し出しを始めたら、人気が出て180棚まで増え、抽選会も行われるようになった。現在は1棚1,500円と売り上げの1割を徴収している。物産展では農産品を委託販売している。カフェも利益は多くはないが維持している。店舗以外では、港で栄えたまちだから港のイメージを大事にしないといけないということでヨットハーバーを整備し、法的には違法状態だが社会実験として、ヨットの寄港を行った。高齢者にとっては、出会いや別れがある郷愁があふれる大事な港との思い入れが強い。そのような事が認識され、古い写真を集めて展示した。懐かしさから訪れた人も少なくなかった。何かしたいという市民も現れ、入れ替わりもあった。ボードデッキでの「うまいもんいち」や、婚活イベントなども開催した。

 集客は平成12年度にほとんど0だったのが、平成21年度は約13万人が訪れた。ところが、議会では、港が活性化に繋がっているのかという声も聞かれているので説明する必要がある。最初は市から500万円の補助金が出ていたが、議会では0にしようとの議決も出たりして、現在は300万円になっている。他はフリーマーケットの収入が3千万円ほどあり、何とか維持している。建物は市が維持管理を行い、NPOは運営の委託を受けている。農家が農産品を持ち込んだり、業者が持ち込んだり、サークルに部屋を会議室として貸し出している。また、高校生とボランティア協定を結び証明書を発行している。

 持続的な地域づくりの持つべき要素とは、資源 地域に存在する価値の発見、しくみ 資源を種にかえる「足りないもの、必要なもの」、社会性 人々が大切と感じること 

 

寄り沿い(協働)NPOの課題

 ■思いが集まる場でリーダーが不在

  ファシリテーター型リーダーで機能するのか

 ■成功と評価は誰のものか

  事務局長は市の補助金で雇用され、一人で何人役もこなしたが、多忙を極め辞めてしまった。現在も候補者を探すのに苦労している。

 ■行政との関係は

  自立させるためには、どういう形で連携できるか話し合って、何を目指すか再構築する必要がある。

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