市民ワークショップで話し合われた内容をご紹介します。
1班「公園・広場」-海と人々を繋ぐ みなと広場-
市民・学生が話し合った内容
2班「交流」 -海と街の握手-
3班「海事」 -交通の船から交流の船へ-
4班「観光」 -サイクルひとくる今治めぐる-
平成22年8月29日 『みなと再生基本計画策定作業 市民ワークショップ』が地場産業振興センターで開催されました。
この市民ワークショップは 三回の事前ワークショップ・学生ワークショップを踏まえ開催されたました。
友田代表からは「今日一日皆さん一人一人がICPCのメンバーとなったつもりで、これからの港を考えてください」と挨拶がありました。
まずANK共同企業体の西沢大良さんから事前ワークショップのまとめとグループの振り分けについて説明いただきました。
その後、学生から自分たちが考えた案のプレゼンテーションがありました。
各班参加者の市民の方々に、自分たちの案を伝え、後の意見交換に参加してもらえるよう必死にプレゼンをしました。
学生のプレゼンテーションの後、学生との意見交換を行い各班の提案について、疑問点や気がついたことなどを書き込みました。
その後各グループに分かれ、疑問点や具体的な案にするため話し合いが行われました。
この時、愛媛県建築士会今治支部の方々がファシリテーターとして各班についていただき、議論をスムーズに進めていただきました。
その後話し合った内容を各班が発表し、全体で共有を行いました。
最後にANK共同企業体を代表して原広司さんから「この案を持って帰り、実現性を検討し、なんらかの形で基本計画に反映させる。再度市民の皆さんにこの案がどうなったのか示す機会を設ける」とお話がありました。
市民ワークショップは予定調和で開かれたものではありませんでした。『事前ワークショップで出てきた意見をどう反映させ、市民ワークショップの形にできるのか?』が大きな課題でした。
学生が創る案は出来上がった案ではありません。市民がその案に対して意見を述べ、再度その案を練り上げていくものでした。
市民が関わり創り上げる『新しいみなと』はこのような話し合いの積み重ねによって具体性を持ってきます。
8つのグループのアイディアは「海の視点」が大いに盛り込まれた内容でした。その中には「港」を海と陸とを繋ぐものとしての考えがあり、「海と陸とを繋ぐ」→「人と人とを繋ぐ」という考えが含まれていました。
今回話し合われた内容は「こういうものができたら人が訪れ、そこに交流が生まれる」というものばかりです。「交通の港から交流のみなとへ」という港再生プロジェクトのコンセプトをより具体的にイメージにする機会となりました。
皆さんが話あった内容等は後日示します。
中間プレゼンテーションを終え、目標が定まった学生はアイディアシート完成に向けラストスパート
仮眠をとるグループ、出来上がるまで寝ないグループ。この日の昼に市民へのプレゼンテーションを控え、全ての学生が真剣にシートを作り上げます。27日昼に集合し、実質2日間で具体的な案にまとめる集中力には圧倒されました。
今治のため・港再生のために真剣にそして黙々と作業をする姿に感動しました。
出来上がったグループはプレゼンテーションの練習。自分たちの案を短い時間でいかにわかりやすい言葉にするのか・・・
学生さんにとって今回のワークショップが実りの多いものとなってほしいと思いました。
学生が創った8つの案
「公園・広場」 -海と人々を繋ぐ みなと広場-
「交流」 -海と街の握手-
「海事」 -交通の船から交流の船へ-
「健康・福祉」 -みんなで海水浴-
「船」 -船で船を釣る-
29日の市民ワークショップの模様は後日。
二日目の朝8時から学生は作業を行う港湾ビル4Fに来ていました。
この日に大筋を決定しておかないといけないので、真剣な表情で皆さん作業を行っていました。
各班出されたテーマにいかにアプローチするか・・・
そしていかに自分たちらしいオリジナルな考えにするか・・・難しい作業は続きます。
海から見る今治はどううつるのか?実際に船に乗りイメージを膨らませます。
このクルージングでは、波止浜湾の造船所群・来島水軍の本拠地来島・造成中の伊東豊雄建築ミュージアム・島が連なる風景など見て回りました。
今治人にとって当たり前の風景である造船所のある風景は『海事都市今治』を実感するものとなりました。
造成中の伊東豊雄建築ミュージアム
クルーズの後は中間プレゼンテーションに向けて詰めの作業。
原先生から、とにかく分かりやすさが重要であるという励ましがありました。
中間プレゼンテーション
それぞれの班が現在の状況を発表します。
公園広場
海事
観光
各班発表を行い修正ポイントが明確になりました。
10時を過ぎた中間プレゼンテーションを終え、学生は徹夜の作業でアイディアシートを仕上げます。
8月29日の市民ワークショップの一環として学生ワークショップが8月27日~29日に開催されました。
今回のワークショップには、東京大学・日本大学・東京工芸大学・立命館大学・愛知淑徳大学・神戸大学・大阪大学の学生28名が参加していただきました。
こういったワークショップに初めて参加する学生も多くいました。
今回のワークショップに参加している学生に課せられているハードルは高く、始めの挨拶の時には期待と不安が入り混じったものもありました。
今回の学生ワークショップは以下の目標を持ち開催しました。
1:全国から集まった学生と市民による、事前WSの市民案の具体化。
→事前ワークショップの案を8つのグループに分けその案の具体的イメージを学生が市民に提示。
→市民+学生チームでディスカッションしながら提案シートを完成させる。
→先進地事例ではなく、今治の風土にあったオリジナルの施設を考える。
2:「パブリックコンストラクション」への参加
→よそもの・ばかもの・わかものの眼を持ってみなと再生を考える。
→WS終了後、ICPCは市民案を市・関係者に提出する。
→ANKは市民案のさらなる具体化をはかり、今治市民に提示する。
この目標を達成するべく学生は2泊3日の短い間に今治を感じ、具体的な提案をしていただきました。
事前ワークショップの内容を集約し8つのクループにわけました。
機能グループ名 | 事前WSにおける内容 | |
グループ1 | 公園広場 | 公園(8)/フリースペース(4)/スポーツ広場(7)/野外音楽場(2)/浮きコンコース(1)/駐車場(8)/駐輪場(3) |
グループ2 | 交流 | 魚市場+レストラン・カフェ(8) /魚市場(2)/レストラン(2)/カフェ(2)/レンタサイクル(7) |
グループ3 | 海事 | 教室(2)/海事大学院(2)/海事資料館(5)/海事外車(1)/船舶関連ビジネス拠点(1) |
グループ4 | 観光 | 水族館(3)/展望台(3)/物産館(2)/資料館(2)/江戸時代の長屋(1)/海・道の駅(1)/記念館・美術館(1)/伝統芸能市場(1)/野間馬馬車のりば(1)/テーマパーク(1)/城下町街道(1) |
グループ5 | 情報発信 | 大学インフォメーション(1)/コミュニティFM(3)/エコパーク(1)/ギャラリー(1)/観光案内所(5)/B級グルメ(1) |
グループ6 | 市民活動 | コミュニティセンター(1)/パブリックコンストラクション(1)/女性総合センター(1)/屋内フリースペース(1)/会議場(1) |
グループ7 | 健康福祉 | 温泉(2)/病院・高齢者住宅(1)/スポーツ施設(1) |
グループ8 | 船 | 船上ブライダル(1)/海上ステージ(1)/釣り堀(3)/貸しボート・渡し船(3)/ヨットハーバー(4)/船上ホテル・ユースホステル(2)/観潮船(1)/クルージング(1)/マリンスポーツ体験施設(2) |
個別の検討が必要なため、ディスカッションでは取り扱わない機能 | ||
ショッピングセンター(1)/焼却炉(1)/台風対策(1)/橋(1)/トンネル(1)/雇用創出のための会社(1)/公務員官舎(1)/防波堤(1)/喫煙所(1)/体験市場(1)/海中トンネル(1)/警察署(4)/市役所別館(2)/海上保安庁(1) |
28人が8つのグループに分かれ、具体的な絵や文章におこし、29日市民の方に提示します。
見た人がわかりやすく、議論の土台となるようこのアイディアシートにおとしこみます。
ガイダンスの後、学生は市内見学ツアーに出発。建築を志す学生にとって、丹下健三さんの故郷今治は特別な土地で、みなさん真剣に各所見学しました。
今治市公会堂
今治城